「何をトリガーに、何を動かすか」を決めると、シーンは迷いません。
本記事は朝夜・留守・防犯・省エネまで30例を、トリガー/条件/アクションで即利用できる形に整理。
まずは5ステップの作り方を押さえ、失敗しないポイントと合わせて導入しましょう。
結論と要点
- シーン設計の手順(全5ステップ)
- プラットフォーム別の考え方(HomeKit/Alexa/Google/SwitchBot)
- 生活シーン別テンプレ30選(玄関・寝室・在宅・留守・防犯・省エネ)
- 電気代削減や防犯に効く条件設計のコツ
- ありがちな不具合と対策チェックリスト
目次
シーンの作り方の手順(全5ステップ)
ステップ
目的を1つに絞る
例「帰宅時に照明とエアコン」
ステップ
トリガーを選ぶ
時間/人感/ドア開閉/位置情報/音声/センサー閾値
ステップ
条件で誤作動を防ぐ
曜日/在宅フラグ/明るさ/温湿度/夜間のみ 等
ステップ
アクションを束ねる
照明色温度・明るさ、家電プリセット、通知、ログ記録
ステップ
テスト→微調整
遅延/閾値/優先度を1週間運用して最適化
- 位置情報は半径を広めに設定し誤発火を抑える
- センサーは電池残量と設置向きを定期点検
プラットフォーム別の考え方
- HomeKit:条件分岐と在宅/不在の扱いが素直。遅延や複数条件が組みやすい
- Alexa:定型アクションが豊富。音声トリガーに強い(ルーチン呼び出し)
- Google Home:家族共有が簡単。場所トリガーが直感的
- SwitchBot:物理ボタン/赤外線リモコン連携が得意。レガシー家電の自動化向き
生活シーン別テンプレ30選(即コピペ用)
朝のルーティン(4例)
- 起床ライト&天気読み上げ
- トリガー:平日7:00
- 条件:在宅=true
- アクション:寝室照明30%→60%へ5分フェード、天気と降水確率を読み上げ、コーヒーメーカーON
- 目覚まし解除でカーテン自動
- トリガー:アラーム停止
- 条件:日出後
- アクション:カーテン開、エアコン冷暖自動25〜26℃、ニュースフラッシュ再生
- 室温が20℃未満で暖房プリヒート
- トリガー:温度<20℃
- 条件:起床時刻の30分前〜7:00まで
- アクション:エアコン暖房、加湿器40%設定
- 花粉多い日は空気清浄を強
- トリガー:花粉予報=多い
- 条件:在宅
- アクション:空清強運転、換気扇弱、換気はタイマー15分に制限
帰宅・外出(5例)
- 玄関解錠でウェルカム
- トリガー:スマートロック解錠
- 条件:日没〜23時
- アクション:玄関・廊下100%→リビング60%、エアコン自動、BGM小音量
- ジオフェンス1000m内でプリエアコン
- トリガー:家から1km圏へ進入
- 条件:外気温28℃以上
- アクション:冷房26℃、除湿オン
- 外出ロックで全消灯・節電
- トリガー:スマートロック施錠
- 条件:誰も在宅でない
- アクション:全照明OFF、エアコンOFF、待機電力スマートプラグOFF
- 置き配通知+玄関だけ点灯
- トリガー:ドアベル検知/置き配検出
- 条件:在宅フラグ=false
- アクション:玄関のみ点灯、録画保存、プッシュ通知
- 帰宅遅延時の防犯見せライト
- トリガー:22:00
- 条件:不在
- アクション:リビング照明を30分おきにON/OFF(在宅風)
リビング・学習・就寝(6例)
- 日没で色温2700K&間接灯へ
- トリガー:日没
- 条件:在宅
- アクション:主照明OFF、間接灯50%、テレビ連動でサウンドモード切替
- 映画モード
- トリガー:音声「ムービータイム」
- 条件:夜間
- アクション:照明20%・2700K、カーテン閉、TV入力切替、サブウーファーON
- 学習集中モード
- トリガー:アプリボタン
- 条件:平日19〜22時
- アクション:5000K・100%、通知一時停止、タイマー50分→10分休憩を繰り返し
- 子どもの就寝導線
- トリガー:21:00
- 条件:在宅
- アクション:照明を10分で0%にフェード、読み聞かせ音楽、空清弱
- ベッド離床で足元灯
- トリガー:ベッド下人感
- 条件:0:00〜5:00
- アクション:足元灯10%、トイレまでの廊下段点灯
- エアコン連動の除湿・換気
- トリガー:湿度>60%
- 条件:在宅
- アクション:除湿弱、サーキュレーター首振り、30分で自動停止
キッチン・洗面・浴室(5例)
- コンロ点火でレンジフード自動
- トリガー:レンジフード連携/電流センサー
- 条件:在宅
- アクション:換気強→消火後5分で弱→停止
- 冷蔵庫開閉が多い日は節電リマインド
- トリガー:開閉10回/日超
- 条件:20:00以降
- アクション:「開け閉めを減らす」通知、翌朝にログ送信
- 入浴準備モード
- トリガー:浴室ドア開
- 条件:19〜22時
- アクション:給湯オン、脱衣所ヒーター低、鏡曇り止めON
- 入浴中ヒートショック対策
- トリガー:脱衣所温度<15℃
- 条件:入浴検知
- アクション:暖房強、浴室乾燥はOFF
- 入浴後の自動乾燥
- トリガー:湿度>70%→入浴終了で下降
- 条件:就寝前まで
- アクション:浴室乾燥60分、換気扇強
在宅勤務・留守・見守り(5例)
- 在宅勤務モード
- トリガー:平日9:00
- 条件:在宅
- アクション:デスクライト6000K、エアコン快適、通話中は家電静音
- カメラのプライバシーシャッター
- トリガー:在宅=true
- 条件:平日18:00まで
- アクション:カメラ物理シャッター閉、録画停止
- 不在時の家電一括OFF確認
- トリガー:外出検知
- 条件:30分以上不在
- アクション:主要プラグの電力0W確認→未OFFなら強制OFF+通知
- 高齢家族の見守り(プライバシー配慮)
- トリガー:冷蔵庫/トイレ開閉が一定時間なし
- 条件:昼間のみ
- アクション:家族へ安否通知、本人へ音声確認
- ペット快適温度維持
- トリガー:室温>28℃または<18℃
- 条件:不在
- アクション:冷暖房オン、Webカメラ静止画を通知
省エネ・安全・季節(5例)
- 需要ピークカット
- トリガー:電力デマンド高騰の時間帯
- 条件:在宅
- アクション:エアコン1℃上げ、不要照明OFF、プラグ順次OFF
- 連続待機電力の見える化
- トリガー:プラグ電力>5Wが24時間継続
- 条件:—
- アクション:節電提案を通知、週報で合計kWh提示
- 花粉強い日は換気短縮
- トリガー:花粉指数=非常に多い
- 条件:—
- アクション:換気15分→停止→1時間後再開、空清強
- 台風接近モード
- トリガー:気象警報・暴風域接近
- 条件:—
- アクション:雨戸/カーテン閉、ベランダセンサー監視、停電に備えバッテリー充電
- 地震時の安全確保
- トリガー:緊急地震速報連携
- 条件:—
- アクション:ガス遮断器連携(可能な範囲)、通路照明100%、家族へ自動通知
省エネとセキュリティの基礎知識
- 省エネは「不要な常時ONを削る」「温湿度の過剰制御を抑える」設計が基本。資源エネルギー庁の家庭向け情報を参照し、設定温度や使い方の見直しを習慣化しましょう。外出時の自動OFFやピーク時間帯の抑制が効果的です。
- カメラやスマートロックは、強固なパスワードと二段階認証、ファームウェア更新が前提です。総務省のIoTセキュリティ手引きを確認し、初期パスワード放置を避けましょう。
- 無線機器は技適マーク(特定無線設備の技術基準適合証明)を満たす製品を選定してください。
ありがちな不具合と対処
- 位置情報の誤差:半径を広げる、Wi-Fiアシストを有効化
- センサー電池切れ:月1回の残量通知シーンを併設
- 夜間の誤点灯:明るさ条件(ルクス)を追加
- 家族端末の不在判定ズレ:在宅フラグを「誰か在宅」で判定
- 赤外線家電のミス操作:学習リモコンの「長押し」と「短押し」を別アクションに分離
まとめ
シーンは「目的→トリガー→条件→アクション」の順で固まります。
まずは1日を2〜3本の基幹シーンで回し、誤作動がなくなるまで微調整。
その後に省エネ・防犯を積み増すと、体験とコストのバランスが取りやすくなります。

